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とにかく萌えを吐き出す為に作ったので 何も萌えが無い時は失踪するかもしれません。18歳未満閲覧禁止。

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愛憎の果てに1

今日は斯波さんのお誕生日でしたね。
はぴば純一!
でも斯波×百合子の話は無いです。スミマセン。
だってぇ、斯波と真島のサイトは多いんだもん!
藤田の話は少ないんだもん!だから藤田の話をUPするんだもん!
という訳で藤田×百合子のお話をUPします

下記の注意書きをよく読んでからご自身の判断で見ていただきますようお願いします。

・Sの百合子、Mの藤田、百合子に流されるお兄様、(´・ω・`)な真島
これらを見たくない方はブラウザを閉じたほうがよろしいかと思います。
このお話は『秘密倶楽部』のその後のお話です。BADエンドです。続きます。

大丈夫ですか?本当によろしいですか?

どんとこい!という方だけ続きを読むからどうぞ~








 百合子が瑞人の帰宅を心配そうに待ちわびていた次の日の朝、尾崎秀雄と、その部下に連れられて瑞人が帰宅した。酔って道端に倒れていたという。
 初めて見る兄の失態に、百合子は驚きと心配と怒りが綯い交ぜになった表情で、部屋に運ばれる瑞人を見ていた。
 藤田は、百合子が水を持って瑞人の部屋に行った後、気が気ではなかった。百合子が金策の事で何か気づき始めているかもしれない。瑞人が、あの事を百合子に話すことなど絶対にないのは分かっていた。だが、真島は別だ。先程も百合子に余計なことを話していた。
――――何か嫌な予感がする。姫様から目を離さないようにしよう。
 そう思い、百合子を探した。だが屋敷の中に居ない。全身の血がサッと引くのが分かる。
 この間のこともある、もしやと思い天海家へ電話をした。電話に出た女中が百合子の訪問を話すと、藤田は逸る心を落ち着かせながら、一目散に自動車を走らせた。
 だが天海夫人に話を訊きに行った時には既に手遅れだった。
 教えられた場所に足を踏み入れると、むせ返るような甘い匂いと白く煙った部屋で、一人の女が目隠しをされ、荒縄で縛られ吊るし上げられているのが目に入る。その女は百合子だと一目で分かった。
 あまりの事に藤田の身体は凍りついたように動かなくなり、頭の中が真っ白になる。
 絶望という言葉を肌で感じながら、目の前で繰り広げられている淫欲に塗れた宴を、ただ見つめていた。
 鞭で叩かれ、二人の男に貫かれ、光に集まってくる蛾のような者どもに、むしゃぶりつかれ、陵辱される百合子を見ているうちに、藤田は胸に蠢く昏(くら)い陰(かげ)に気づく。
「不思議だ……姫様は、そうしておられる時が、一番美しい……。」
 藤田は、思わず呟いていた。
 
 
 狂乱の宴が終わり、一人残された百合子の許(もと)へ歩み寄った。
「姫様……お屋敷に帰りましょう。」
 気を失っている百合子に話しかけ、そこら辺にあった布で包むと、横抱きに抱え、夜陰(やいん)に乗じて自動車に乗せた。
 まだ人々が寝静まっている時間だったのが幸いし、誰に見られることも無く屋敷に着き、百合子に寝間着を着せてから部屋の寝台に寝かせる。
 寝息を立てる百合子を見ながら、藤田は天海の家に行った時の事を思い出していた。
 姫様に全てを話してやったと悪びれも無く言う夫人に、何故話したのかと詰め寄ると、お前達が姫様に隠し事をしていたのが悪い、事実を知った姫様は大層腹を立てていたと嘲る様な口調で夫人は答えた。
 返す言葉が出なかった。
 きっと姫様は、聡明な方だけに御自分だけ何も知らなかった事に、憤りを感じていらっしゃるだろう。もしかしたら裏切られたと思っているかもしれない。殿様も私も、ただ姫様をお守りしたかった。それだけなのに……。
 姫様を守る為とはいえ、隠し事をしていたのは事実だ。では、いったいどうすれば良かったのだろうか。
 答えの出ない自問は、藤田の気持ちを暗く澱んだ汚泥の底へと沈める。
 瑞人の気持ちを考えるとやりきれなかった。百合子の為に、その身を堕としたというのに結局は守れなかった。
(殿様に報告しなければなるまい……)
 どのように伝えればいいのか分からなかった藤田には、未だ戻ってきていない瑞人の放蕩が今は、ありがたかった。


 朝になり、藤田は百合子の部屋へと向かう。瑞人は、まだ戻っていない。昨夜のことを考えると、足取りは重くなった。
「姫様。」
 控えめにノックをし、中にいる百合子へ呼びかける。
 2、3度繰り返すが返事が無い。不安に駆られそっとドアを開けた。
「失礼いたします。」
 寝台を見ると百合子が横たわっている。薄く目を開けてこちらを凝視していた。
 百合子と目が合った藤田は、その冷えた視線に息を呑む。
 あのお優しかった姫様は、一夜にして変わってしまったのだ。藤田は、そう直感した。
「朝食は召し上がれますか?」
 部屋の中に入り、何事も無かったかのように百合子に尋ねる。
「食欲が無いからいらないわ。」
「かしこまりました。」
 百合子の返答に一礼して下がろうとしたとき、百合子が口を開いた。
「お風呂に入りたいわ、藤田。用意をしてちょうだい。」
「かしこまりました。」
 今度こそ一礼をして藤田は部屋を出て行った。

 百合子は寝台で横になりながら、霞がかったような頭でぼんやり考えていた。
 朝、目が覚めると自分の部屋で寝ていた。昨夜の事は夢かと思い身体を動かそうとして肢体に痛みが走り、夢ではないことを知った。
 誰がここまで運んだのかと考えて、壁際に藤田に似た男が立っていたことを思い出した。
 あれは藤田だったのだ。藤田が自分をここまで運んで来たのだ。
 昨夜の百合子の乱れた様を見ていたのだろう。にも拘らず、何事も無かったように振舞う藤田に悲憤し、涙が一筋零れた。
 やはり藤田は自分のことを主としか思っていないのだ。もういい、疲れた。 自分は畜生以下まで堕ちたのだ。怖いものなど何も無い。
 ただ、藤田が今も執事然としているのは気に入らない。どうせ堕ちるなら全て堕としてやろう。
――――お兄様と私だけ堕ちるなんてずるいわ、藤田。
 隠し事をしていた兄のことも許せないが藤田には好意という感情があった分、裏切られたという想いは殊更強かった。


 暫くすると、ノックの音と共に藤田が部屋に入ってくる。ドアを閉め、身体の向きを変え、百合子が横たわる寝台に歩み寄った。
「姫様、お風呂の支度が整いました。」
 藤田は、執事の顔を崩さずに報告する。
 百合子は藤田の顔を一瞥すると、傍らに立つ藤田に手を伸ばして言った。
「お前が、私をお風呂に入れて。」
「な、何を……。」
 まるで淫婦のように妖艶な笑みを浮かべ、今までなら絶対に口にしないようなことを言う百合子に眩暈を覚える。
「頭がぼうっとして身体を動かすのが辛いのよ。だから藤田が私をお風呂に入れてちょうだい。これは命令よ。」
「…………かしこまりました。それでは、私も支度をしてまいります。」
 手を握り締め、一礼すると足早に部屋を出て行く。
 藤田がドアを閉めた途端、百合子はケラケラと笑いだした。何が可笑しいのか本人にも分からない。ただ涙を流しながら百合子は笑い続けた。
 藤田は、その場に嘆き崩れたい衝動を必死に堪え、背中に百合子の笑い声を受けながら足早にその場から去る。
 自分が守ろうとするものが悉(ことごと)く失っていく。必死ですくい上げようとしているのに指の間から零れ落ちていく水のようだ。藤田は激しい喪失感を覚えると同時に、胸の奥が膿んだ傷のようにジクジクと疼いた。


つづく


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