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とにかく萌えを吐き出す為に作ったので 何も萌えが無い時は失踪するかもしれません。18歳未満閲覧禁止。

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愛のかたち 5
もう少しだけ続きます。
なんだか焦らしプレイをしているようだ(笑)

土日の更新は難しいと思います。すみません。
できたらします。









次の日から百合子の生活が変わった。子供達を見送ってから帰ってくるまで、藤田の部屋で毎日まぐわった。
あと二月で旦那様が戻られるというのに…旦那様がお可哀想…そんな女中たちの視線などお構いなしで、朝から夕方まで獣じみた喘ぎ声を漏らす。
斯波に対しての情はあると思う。浮気はしないと言ったとおり百合子だけを愛してくれている。だが、百合子が愛している男は藤田ただ一人だった。
条件を出しての結婚だったが、少しの罪悪感は感じている。だからこそ、求められれば応じているし、良き妻を演じていた。
しかし百合子には時間がない。そんな焦りから、少しの時間でも藤田を感じていたかった…。

そんな生活が一月ほど続いた、ある夜、夫のいない寝台(ベッド)に入り、しんと静まり返った真っ暗な部屋で、百合子は自分の死んだ後の事を考えていた。
―― 自分が死んだ後、藤田はどうなるのだろう…。この家から追い出されたりしないだろうか…。私の後を追ったりしないだろうか…。
実際、死ぬのは怖い。一人では寂しいと思う。だが、一緒に死んでくれとは言えなかった。今日(こんにち)まで自分に忠を尽くしてくれたのに、死ぬときまで一緒というのは悪いと思ったからだ。
藤田には生きていて欲しいと思う反面、一緒に逝って欲しいとも思う。相反する思いが徐々に不安へと変わる。
居ても立ってもいられず、枕元に置いてある明かりを手に持ち藤田の部屋へと足を向けた。
ドアをそっと開けると、布団が人型に盛り上がっているのが分かった。夜も更けているのだから寝ているのだろうと、起こさないように足音を殺して近づく。
明かりを置いて枕元に座り、掛け布団を捲ろうとした時、突然寝ていたものが、がばっと起き上がり百合子の手を掴んだ。
驚いた百合子は、身体が石のように固まる。
「誰だ!」
藤田の威圧するような低い声が部屋に響く。
咄嗟の事に声も出せず、肝をつぶしている様子の百合子に気付き、藤田は手を緩めた。
「姫様……何をなさっていらっしゃるんですか…。」
驚いたような、少し呆れている様な声色で百合子に尋ねる。
「……眠れない…のよ……。」
決まり悪そうに眼を伏せながら百合子は言った。
今まで散々、藤田を苛めてきたにも拘わらず、今度は病気を盾にして甘えようとしている…。つくづく自分は弱く、汚い人間なのだと自分を恥じた。
そんな気持ちを知ってか知らずか、藤田は無言で百合子を抱き寄せた。倒れ掛かるように引き寄せられた百合子は、目を瞑り藤田の胸元に頬を寄せる。寝間着の布越しに伝わってくる温もり、男臭い藤田の匂い、力強く鳴る心臓の音、全てに安らぎを覚えた。
「ここでお休みになられますか?」
耳元で低く囁かれ、百合子が子供のように、こくりと頷くと、明かりを消して一緒に布団へ潜り込む。
腕枕をされながら、目の前にある藤田の顎を、そっと撫でると髭が伸びているのかチクチクして少し痛い。そのまま下へ滑らせると、喉仏があった。さらに下へ手を滑らすと厚い胸板を感じる。
今まで何度も体を重ねてきたというのに、改めて藤田の体に触れていると、『男』というものを、まざまざと思い起こさせた。

藤田はというと、ぺたぺたと触っている百合子に困っていた。このまま触り続けられてしまえば、情欲に火が点き、抑えられなくなることが分かっていたからだ。百合子の身体を考えれば、早く寝たほうが良いに決まっている。
「姫様…早く寝ないと、お身体に障りますよ。」
藤田は抱きしめている腕を、少し強めながら百合子を諌(いさ)めた。
(いつもなら、くっついてくる藤田を窘(たしな)めているのに、今日は反対に窘められてしまった…。)
まるで、小言を言われていた学生時代に戻ったみたいで、百合子は、なんだかくすぐったかった。
百合子は小さく笑うと、藤田の大きな身体に片手をまわし、目を瞑る。
藤田の匂いに包まれて、心地よい窮屈さを感じながら、安堵と共に深い眠りへと落ちていった。

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