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とにかく萌えを吐き出す為に作ったので 何も萌えが無い時は失踪するかもしれません。18歳未満閲覧禁止。

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思い出



自分の藤田語りで思いついたものを書きなぐってしまいました(笑)
藤田の想い……でしょうか?
なんとなく書きたくなったので……。
この話の中に出てくる『寄木細工~』は、私が勝手に作ったものです。
『愛のかたち』にも少し出てくるので、こっちの話にも出したくなっちゃいました。
小さい百合子が藤田の耳元にひそひそ話をしているのを想像すると萌える!
はっ、Σ(゚Д゚;)藤田が女中に振られたのって、百合子が原因じゃ……。
女中と二人で居るときも
「今日も姫様が……」
なんて少し嬉しそうにいつも話していたら振られちゃうよね(笑)
あくまで私の願望。w
庇護欲を掻き立てられて、勝手に親のような愛情を注いでいるといいよ!


また短いお話ですが、よろしければ続きからどうぞ~






  温かい布団の中、心地よい疲れを感じながら横になっている私の腕を枕代わりにしている姫様が口を開いた。
「ねぇ、均さんはいつから私の事が好きだったの?」
 唐突に訊ねられて、私は姫様の顔をまじまじと見つめる。
「いつからと訊かれましても……」
「だって、私が子供の時から傍にいたじゃない?だから、いつから……その、女性として見てくれたのかな、って」
 少し恥ずかしそうに頬を赤らめながら仰る姿に、更に愛おしさが込み上げてくる。
「そうですね……」
 天井に目をやりながら、頭の中の最奥にある姫様との懐かしい日々を思い出す。

 そう、初めてお逢いしたのは、桜の花弁が舞い散る頃だったか。お邸に向かう途中の路が桃色の花弁で埋まっていたことを覚えている。
 お邸に着くと、私の前任の執事が迎えてくれた。奥方様が武家の出だと聞いていたので、日本家屋のようなお邸かと想像していたら、白を基調とした清潔感のある西洋館だった。
 応接室に通され、お教えする姫様を待っていると、先代様と奥方様が部屋にお入りになられた。
急いで席を立ち一礼すると、恥ずかしそうに顔を真っ赤にされた姫様が、奥方様の後ろから、ひょっこりと顔を覗かせている。
「この人が、お前のピアノの先生だ。ご挨拶なさい、百合子」
 先代様に挨拶を促された姫様は、おずおずと私の近くまで来ると
「よ、よろしくおねがいします。せんせい」
ぺこりと頭を下げながら、お行儀良く御挨拶して下さいましたね。最初だけでしたが……。これが姫様との最初の出会いでした。
 姫様が5歳くらいでしたでしょうか?真っ赤な着物をひらひらさせながら楽しそうに庭を跳ね回る姿は、まるで蝶のようだと、そう感じたことを覚えています。
 ある時、ピアノの時間になっても、お見えにならない姫様を探し回って、木に登られているのを見つけたときには本当に肝を冷やしました。
ある時は休憩時間に私の腕を引っ張って自室へと伴われ、内緒だと言いながら寄木細工の隠し棚の開け方を教えてくださいましたね。大きな眼をキラキラと輝かせ、得意そうに話をされている様子は本当に愛らしかった。
 お転婆の姫様が少しずつ成長なされ、お美しくなられていく姿は、まるで蕾を開こうとしている花のようでした。
 姫様の帰りが遅いと心配していた私をからかい、私の反応を面白い、と悪戯っ子のような顔をして飛び跳ねて行ってしまわれた姫様。
 奥方様が倒れられた時、二人で活動小屋へ行きましたね。あの時は奥方様に申し訳なく思いつつ、姫様が大人になったのだと感じ、胸が高鳴りました。

 ふと、横で私の顔を見続けている姫様に顔を向ける。あの小さかった姫様が自分の隣に居てくださるのだ、そう思うと、私は歓喜に胸を震わせた。
「もしかしたら私は、姫様に一目お逢いした時から、御身を一生お守りしたいと思っていたのかも知れませんね。」
 私の言葉に姫様は、ひどく驚いた様子で目を見張る。
「え、そんなに小さいときから……」
「いえ、そういう訳ではありませんよ。女性として、というのはいつからか分かりません。いつの間にか、です」
 私は小さく笑い姫様の頬を撫でる。
「姫様は、いつから私を想ってくださったのですか?藤田は煩い(うるさい)と散々に仰られていたじゃないですか」
 少し意地の悪い言い方だろうか。
「う……ん……。分からないわ。いつから『煩い藤田』から『愛しい藤田』に変わったのかしらね?」
 姫様は、そう切り返すと愉しそうにクスクスと笑い出す。うまくかわされ、私は面白くない。
「今日は覚悟していただきますよ」
「どういうこと?」
「寝かさないということです」
「もうっ、いつもじゃない」
 優しい口付けは徐々に深いものへと変わっていく。
 
あぁ、愛しい姫様……この身が果てるまで、貴女だけを愛し続けます。




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