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とにかく萌えを吐き出す為に作ったので 何も萌えが無い時は失踪するかもしれません。18歳未満閲覧禁止。

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愛ゆえに
暑い日が続きますが、皆様は大丈夫ですか?
私なんか暑くて溶けてしまいそうです。
PCのファンもブンブン唸っていて、いつ壊れるかドキドキしてます。

今回は、ハッピーED後の藤田×百合子です。
甘々にしようと思っていたのに失敗した気が…。
しかも斯波さんゴメンなさい。もう最初に謝る!ごめん。

タイトルの『愛ゆえに』ですが、どこかで聞いたことのあるタイトルのような気がします。
結構使われているからでしょうかね?
なんとなくで決めたので、どなたかとカブってしまっていたらゴメンなさい。


つたない文章ですが、よろしければ続きからどうぞ。











どこかで藤田が呼んでいる声がする。
「ひめさま…姫様…。」
(もうっ…いつも名前で呼んでって言ってるのに…)
目を開けて起きようとするのに、まるで糊でくっついてしまっているかのように瞼が開かない。
百合子は起きる事を諦め、まどろみから徐々に深い眠りへと沈んでいく。
「はぁ…、姫様、起きてください。私は出掛けてしまいますよ。…弱ったな…。」
ため息を吐きつつ起こそうとするが、すやすやと気持ち良さそうに寝息を立てている百合子を見ていると、起こすのに忍びない。
 仕方がないと諦め、作っておいた昼食に虫がつかないよう、ざるで蓋をし、書き置きを残す。身重の百合子を一人で残していくには一抹の不安があるが、早く行かなければ約束の時間に遅れてしまう。
今日は、とある伯爵家へピアノを教えに行くことになっていた。いつもは自宅で教えているが、たまに来て欲しいとの要望もあるために、こうして出掛けることになってしまうのだった。
 「いってきます。」
百合子の寝顔を見ながら幸せそうに微笑むと、すやすやと寝ている妻の頬に口づけをして藤田は出掛けていった。


それから暫くして百合子が目を覚ました。大きい伸びを一度してから起き上がる。
「均さん?」
家の中がやけに静かなことが気になり、夫の名を呼ぶ。
返事がないことに、ますます不安になって家の中を探し始めた。卓子(テエブル)を見ると昼食の用意がしてある。その傍に書き置きがあるのに気づいた。
『姫様、今日はピアノを教えに行く日なので出掛けます。二、三時間で帰宅すると思いますので、もし出掛けるようでしたら、あまり遅くならないようにしてください。』
「…書き置きまで『姫様』なんて…。」
百合子は独り言をぽつりと呟く。
藤田には平民になったのだから姫ではないと何度も言っているのに、気付くと百合子を『姫様』と呼んでいる。子がお腹にいる今のうちから直しておかないと、子供のいる前で『姫様』『藤田』と呼びあってしまいそうで心配になってしまう。
だからこそ百合子は『均さん』と名前で呼んでいるのだが、藤田のほうは中々直らない。
百合子は溜息をひとつ吐き、少し遅めの昼食を食べ始めた。
一人で、もそもそと食事をしていると、目の前にいつもいる夫が居ないことに少し寂しさを感じる。
藤田が仕事のために出掛けているのは分かっているが、ほとんどが自宅で教えているため、傍に居ないことになかなか慣れない。
家事をやろうとしても、藤田に全て取られてしまう百合子は、いつも暇を持て余していて、どこか罪悪感を抱いていた。
(均さんに何かしてあげられないかしら…)
もちろん労いの気持ちもあるが、何か喜んでくれるようなことをすれば、少しはこの罪悪感が晴れるような気もしたからだ。
しかし藤田は何をすれば喜んでくれるのか思い当たらない。
(均さんの好きなもの……。ち…じゃなくて、甘いもの……。)
少し考えて、甘いものが好きな藤田が、よく作ってくれる溶かしたチョコレエトにしようと思い立ち、食べた後を片付け、巾着を持って家を出た。

市電に乗り、上野のデパアトへと向かう。流れていく景色を窓から見ながら、藤田の喜ぶ顔を想像し胸を弾ませ、口元を綻ばせる。
市電の揺れが心地よい眠りを誘い、瞼が閉じかけたところで上野に着いた。
慌てて降りると、途端にガヤガヤと騒々しい音が耳に入ってきた。
自分が住んでいる近所に比べると人が多く、活気ある街に映る。
百合子はキョロキョロと辺りを見回しデパアトを探す。それはすぐに見つかり、目的を果たすと、帰るために市電を待っていた。
「百合子さん?」
後ろから聞き覚えのある声で名前を呼ばれ、後ろを振り返ると、そこには嘗(かつ)て百合子に求婚をしていた斯波が立っていた。
「斯波さん…どうしてここに?」
「奇遇だな、ここの近くで商談があって、ついさっき終わったところなんだが…百合子さんは?」
「私は、そこのデパアトで少しお買い物をして、これから帰るところですわ。」
「用事が済んだのなら、近くのパーラーでお茶でもしないか?」
口の端を上げ、俺の誘いに乗らない女はいないと言わんばかりの斯波の態度に、百合子は顔をしかめる。
「残念ですけど、早く帰らないと均さんが待ちくたびれてしまうので、お断りします。」
百合子は、さほど残念では無さそうな言い方をして、斯波の誘いを断った。
「まぁ、少し話を聞いてくれないか?実は、ちょうど百合子さんに頼みたいことが出来たんだ。ここではなんだから、ちょっとそこで話をさせてもらいたい。」
「ここで出来ないお話なら聞くことはありませんわ。」
「俺は、ただ百合子さんに話があるから、そこのパーラーに行こうと言っているだけだ。なにもやましいことなんてないだろう?それとも貴女の夫は、男とは話もさせてくれないのか?」
斯波は、百合子の素っ気無い態度にも、めげずに尚もしつこく誘う。
百合子は、夫の器が小さいと馬鹿にされたような気がして腹が立った。
「そんなことないわ!ただ、夫でもない殿方と二人でパーラーなんて、はしたないと思っただけよ。」
「そうか、残念だ…。そこのパーラーのシュウクリイムが美味いと評判なんだが…。」
斯波は、さも残念そうに言いながら、ちらりと百合子の反応を窺う。
(シュウクリイム…)
百合子の頭の中にシュウクリイムという単語が焼きついた。
食べたことは無かったが、蕩ける様なクリイムが絶品だと聞いたことがあり、いつか食べてみたいと思っていたからだ。
「少し…だけなら…。」
百合子は恥ずかしそうに俯き、言いづらそうに口を開いた。
最初に断った手前、シュウクリイムの一言で態度を変えるのは、かなり恥ずかしい。斯波の誘いに乗るのも悔しかったが、それでも百合子にとってシュウクリイムは魅力的だった。
(美味しければ均さんと一緒に、食べに来ればいいし…味見よ、味見。)
百合子は心の中で、あらゆる限りの理由を述べて自分を納得させた。
百合子の一言を聞き、斯波はニヤリと笑うと、ならば百合子の気が変わらない内にと半ば強引に手を引いてパーラーに入っていった。

席に案内され座ると直ぐに、百合子はシュウクリイムを頼んだ。
そんな百合子を見てニヤニヤ笑いながら、斯波は珈琲を頼む。
斯波のにやけた顔を見て、自分を馬鹿にしていると百合子は腹が立ったが、あえて見ないようにして堪えた。
注文を聞いた女給が戻っていくと百合子が口を開く。
「それで、私にどんな話がありますの?」
さも時間が無いといわんばかりに話を促す。
「実は、さっきの商談で貰ったものなんだが…。」
斯波が鞄の中から、液体が入ったビンを取り出し卓子に置く。
「これは?」
「美顔水だ。」
「美顔水?」
百合子は首を傾げながら、斯波が取り出したビンをまじまじと見ている。
「欧羅(ヨオロ)巴(ッパ)のもので、この商品を日本で売らないかと持ち込まれたんだ。まぁ貿易商をやっていると、この手の話はいくらでもあるんだが…、何しろ美顔水だからなぁ。男が使ってもいまいちわからん。そこで、百合子さんに使ってもらって、日本でも売れそうか判断してもらおうと思ったわけだ。どうだ?使ってみないか?もちろん、ただとは言わん、謝礼も払う。」
「ちょ、ちょっと待って斯波さん。」
一気に捲し立てられて、百合子は混乱した。
「え…と…、つまり私が、この美顔水を使って売れそうか判断しろっていうこと?」
「そういうことだ。」
面白そうだと思った。謝礼云々は抜かしても日本でまだ売られていない物を自分が初めて使うのだ、しかも美顔水とくれば女として興味が湧くのも仕方がない。
しかし藤田のことを考えると素直に頷けない。もしこれを見せて説明しても、斯波と偶然会ったということを信じてくれるかどうか怪しかった。
だが、断ってもこの男はしつこく食い下がってくるのは目に見えている。
百合子は暫く考えた後、斯波の頼みを了承した。
「ただし、謝礼はいらないわ。ただ使ってみた感想だけ、斯波さんにお伝えします。それでいいかしら?」
「あぁ、それで構わない。」
断られると思っていたのか、斯波は、ほっとしたような表情を浮かべ、運ばれてきた珈琲を一口飲んだ。


百合子は自動車(くるま)で送るという斯波の誘いを頑として断り市電に乗った。座席に座り、心地よい振動に揺られながら、先程食べたシュウクリイムのことを思い出していた。
もっちりとした皮に舌で蕩ける濃厚なカスタアドクリイム。甘いものが好きな藤田ならきっと気に入るだろう。藤田の予定を聞いて二人で出掛けようと、百合子は胸を躍らせた。
家の近くで市電を降り、家路へと急ぐ。百合子は時計を持っていないために時間は分からなかったが、随分と遅くなってしまったように感じる。
とっくに藤田は帰っているだろう。心配しているかもしれない。
百合子は書き置きをし忘れた自分を呪った。
「ただいま…」
戸締りをしておいたはずの戸が開いている。藤田が帰ってきている証拠だった。
心配性の藤田に怒られることを覚悟しながら玄関の戸を静かに開ける。
その音に気づいたのか、奥からバタバタと足音を立てながら藤田がやってきた。
「姫様!何処に行ってらしたんですか!あまり遅くならないようにと書き置きまで残しておいたではありませんか。」
その目は、うっすらと涙を浮かべ怒っているようにも安堵しているようにも見えた。
心配をかけてしまった事が申し訳なく思えて、さっきまでの楽しい気分も、すっかり失せてしまう。
「ごめんなさい…。実は、均さんにチョコレエトを飲ませてあげようと思って、上野まで買いに行ってたの…。そうしたら帰りに斯波さんと偶然会ってしまって…。」
斯波と会ったことを話すのは抵抗があったが、何も疾(やま)しいことは無いのだから言っておいたほうがいいだろうと思い、百合子は正直に話した。
「斯波様と?」
藤田の目の色がすうっと薄暗く澱んだものに変わったことに百合子は気づかない。
「え、えぇ…。だから遅くなってしまったの。」
「そうですか…。さ、早く中に入ってください。チョコレエトは私が作りますから。」
その言葉に、藤田が分かってくれたと思った百合子は、買ってきたチョコレエトを藤田に渡す。受け取った藤田は、すたすたと台所の方へ行ってしまった。
その後姿に不穏な空気を感じ取り、急いで草履を脱ぐと藤田の後を追う。
台所を覗くと、藤田がチョコレエトを溶かし始めていた。
「均さん?」
「なんですか?」
藤田の背に声をかけてみるが、こちらを振り向きもしない。
(怒ってる…きっと斯波さんと会ったことに嫉妬しているんだわ…。本当に女々しいんだから…)
もう結婚をしているのだから、そんな小さなことで、いちいちヤキモチなど焼いて欲しくないのだが、それを咎めても『仕方ないじゃありませんか』の一言で済ませてしまうことは分かりきっていた。
仕方がない、藤田の機嫌をとりに行こう。
百合子は後ろから藤田に抱きついた。
「どうしたんですか?危ないですから椅子に座って大人しく待っていてください。」
いつもと違う反応に、百合子は意気消沈し、大人しく椅子に座った。
少し経つと藤田がカップを一つだけ持って百合子の傍に来る。
二つ持って来るものだとばかり思っていた百合子は、怪訝そうな顔で藤田を見つめていると、カップを卓子に置いた藤田に口を吸われた。
「!?」
訳も分からず混乱していると、突然、腰の辺りの締め付けがふっと軽くなる。帯が解かれたと理解したのは、放り投げられた帯が床に落ちたと同時だった。
百合子は舌を吸われながら、腰紐も解かれ、着物を脱がされる。
藤田が口を離すと、お互いの口から透明な糸が引いた。
「さ、姫様。チョコレエトを食べましょうか?」
飲み物にしようと買ってきたチョコレエトを、食べましょうと言われ、ますます藤田の意図が分からない。
「あぁ、着物を汚してしまうといけませんから、動かないでくださいね。」
その言葉に『なぜ?』と問いかけようとして藤田の顔を見た。口は笑っているが、目が笑っていない。その瞳に暗いものを感じて背筋がゾクリとした。
「いいですね?姫様。動いてはいけませんよ。」
そう言い放つと同時に、襦袢の合わせを大きく広げられた。そこからは白い乳房が零れ出る。脂肪がたっぷりとのっていて柔らかそうで張りのある、美味しそうな果実だった。
「ちょっ…何するの!」
露わになった乳房を隠そうとする手を、先程解いた腰紐で椅子の後ろに縛り上げる。
「何って…私を心配させた罰ですよ。」
言葉を失っている百合子にカップを持って近づくと、乳房にめがけて傾けていく。
一瞬、熱いものがかかるのを想像して目をつむるが、想像に反して熱くはなかった。
むしろ体温に近いドロドロとしたものが胸を伝い落ちていくのを感じる。
そっと目を開けると、溶けたチョコレエトが幾筋も百合子の身体を汚していっていた。
藤田はカップを置き、おもむろに舌を出して乳首に付いたチョコレエトを舐めあげる。
百合子の身体がぴくりと震えた。
「はぁっん…。」
「ああ…甘くて美味しいですね…。姫様も舐めてみますか?」
藤田が人差し指で、百合子の身体についているチョコレエトを一(ひと)掬(すく)いすると百合子の口元へ持っていく。おずおずと口を開けると、指が優しく差し込まれた。舐めるとチョコレエトの香りと甘さが口の中で広がる。
この倒錯的な行為に最初は恐る恐るだったが、徐々に溺れ始めてきたのか、味の無くなった藤田の指を美味しそうにしゃぶり続けた。
そんな百合子の姿を、藤田は暗い笑顔で満足そうに見ている。
「もう味などしないでしょうに…。本当に…淫乱な姫様だ。」
指を引き抜くと、百合子は、おしゃぶりを取り上げられた子供のように切なそうな眼差しを藤田に向けた。
藤田は一瞥すると、襦袢の紐を解いて肌蹴させる。
腕を椅子の後ろで縛られ、赤い襦袢の上に広がる白い裸体が、チョコレエトで汚されている様はひどく官能的だ。
藤田の喉仏が大きく上下に動いた。
「姫様は、本当になんていやらしく、美しいのでしょうね…。」
嬉しそうに頬を上気させ、カップを手に持つと、今度は腹をめがけてチョコレエトを垂らしていく。
肌の上を伝っていく感覚は、まるで舌先で舐められているような錯覚がして、百合子は快感にぶるりと身体を震わせた。
見られていると思うと羞恥で火が点きそうなほど肌が熱くなる。
「はぁ…ん…。」
吐息が百合子の口から漏れた。
藤田は、百合子の前に跪き、胸から腹へと舌を滑らせチョコレエトを舐めとっていく。
じれったい快感が、百合子の身体を益々昂ぶらせていき、だらしなく脚を開く。尻を前へずらして、もっともっとと快感を求めた。
「どうしました?姫様の御足(おみあし)が開いて、いやらしい割れ目が見えていますよ。」
はっとして脚を閉じようとするが、割り入っている藤田の身体がそれを許さない。
「駄目ですよ、動いては。」
百合子の肌を、美味しそうに舐めながら話すので、息がかかり、くすぐったい。そのくすぐったさ、さえも快感にすり替わっていく。
「んっ…。」
腰を動かしたくなる衝動を必死で押さえ込み、声を漏らさないようにするが、襦袢をしとどに濡らしていく愛液だけは誤魔化せない。
「こんなに濡らして…。きっと着物まで染みていますよ。」
「あぁっ!」
陰毛を掻き分け、包皮の剥けた蕾に舌先が触れただけで、身体中に電気が走ったかのような快感を感じ、百合子は軽くイッてしまった。
藤田の長い指が、ぐぷりと膣に差し込まれ、ぐにぐにと中をかき回す。
もっと強い刺激が欲しいのに、焦らすような快感しか得られず、もどかしくなる。
「あぁ…欲しい…の…。」
ついに耐え切れず、百合子は哀願した。
「何が欲しいのか言っていただかないと分かりませんよ。」
入れている指を二本に増やし、少し乱暴に出し入れさせる。
「はぁっん…藤田が…欲しいの……。いじわるしないで。」
「かしこまりました、姫様。」
百合子の手を縛っていた紐を解き、横抱きに抱き上げると、寝台にそっと寝かせた。
すぐさま百合子の上に覆いかぶさり、胸を揉みしだき乳首を舌先で左右に弄る。
「あぁっ…んっ…はぁっ…。」
「あぁ…姫様はここが気持ちいいのですね。」
胸を執拗に攻められて、今度は下腹部が疼き始めた。股を擦り合わせて、なんとか疼きを耐えようとする。
「そろそろこれが欲しいですか?」
藤田は衣服を脱ぎ、完全に反り返った男根を百合子に見せた。
「はぁ…。」
吐息を漏らしながら、目を潤ませ頬は上気し、口をだらしなく開ける様は、淫乱な雌そのものだった。
藤田は自らをあてがうと、ゆっくりと差し込んでいく。大きな男根に膣を広げられていく感覚は、気が狂いそうなほど気持ちが良かった。
ゆっくりと腰を動かし、あまり奥まで突かないように藤田は気をつけていた。だが、その動きが百合子の情欲を昂ぶらせていく。
百合子は、とうとう我慢できなくなり、自ら腰を動かして、もっと奥にと藤田の男根をねだる。
「そんなに…奥をついてもいいのですか?」
あまり強く突かないように最奥へと突き進める。
「あああっ」
百合子の身体が仰け反り、敷布(シーツ)を握りしめた。肉壁が陰茎に絡みつき、全て搾り取ろうと蠢く。
「はぁっ、はぁっ、くっ…あぁっ…」
藤田も堪えきれなくなったようで、腰の動きが徐々に性急なものへと変わっていった。
「姫様…あぁっ、姫様。」
百合子の口に舌を入れ絡ませながら、指先で乳首を弾くと、さらに中が締まる。
「んっ、あっ、あっ、いいっ、ああっ」
部屋中に百合子の甘い体臭と藤田の男臭い体臭が混ざり合い、濃厚な匂いが充満していく。二人とも汗に塗れ腰を動かし、昇りつめていった。
「くっ…あぁっ…で…る…あ、あぁっ。」
「ひっ、あっ、あぁぁっ。」
百合子のつま先は、ぴんと突っ張り身体を硬直させ、藤田は奥まで突き入れ、子種を吐き出す。
自分の中にどくどくと注ぎ込まれ、藤田の重みを全身に感じながら、百合子は身体を弛緩させた。


一つの情交が終わり、満ち足りた気分で瞼を閉じる百合子に、藤田は抱きしめながら呟く。
「どうして…斯波様と会ったりなさったのですか…。」
その口調に怒りはなく、少し拗ねている様に感じた。
「だから、本当に偶然だったの。誘われても断ってたんだから。」
「ですが、斯波様とお会いになっていて遅くなられたのですよね?」
「私に頼みたいことがあるって、押し切られたのよ。なにも疾しいことなんてないから正直に話しているのに…。」
「では、疾しいことがあったら内緒にするということですか?」
「絶対に疾しいことなんてしないわ。もうっ…私を信用してくれないの?」
あまりにしつこく言ってくる藤田に、今度は百合子のほうが拗ねる。
「いいえ、信用しています。ですが、私はあまりにも心配で…。」
『すっぽんの藤田』
昔、付けた藤田のあだ名が百合子の頭の中に唐突に浮かび、ぷっと吹き出してしまう。
「なにが可笑しいのです?」
まじめに話をしているのに吹き出して笑う百合子に少しむっとする。
「急に昔つけた藤田のあだ名を、突然思い出してしまって。」
「あだ名…。あっ……。…忘れていたというのに……。」
藤田は困ったような顔をして、ため息混じりに呟いた。
「ふふ…。ごめんなさい、藤田。お詫びに美味しいシュウクリイムのお店に連れて行ってあげる。一緒に行きましょう?」
「そうですね。是非。……ところでシュウクリイムなんて、いつ食べたのですか?」
自分が買ってきたことなど無い物を、百合子が食べていることに疑問を持った。
「え…と…今日…かな?」
『今日』という言葉に藤田の片眉がぴくりと上がる。
「何処でですか?」
「パ…パーラー…だったかなぁ…。」
百合子の声が徐々に小さくなっていく。
「まさか、シュウクリイムに釣られて斯波様とパーラーに入ったのですか!?」
藤田に呆れたように言われ、ギクリと身体を強張らせ、百合子は小さく頷いた。
「まったく…これでは心配で一人になどしておけません。」
「だって…美味しければ藤田にも食べさせたいなと思って…。」
「美味しいものでも、不味いものでも、私は…百合子さんと一緒であれば、どんなものでも構わないのです。」
藤田の言った『百合子さん』に少し照れながら頬を藤田の胸板に寄せる。
「愛してるわ、均さん。」
「私もです。…百合子さん」
二人だけの甘い時間は、しばらく終わりそうもなかった。




あとがき
ちゃんと甘々になっているのか不安だ…大丈夫かな…?
愛ゆえに藤田が暴走してしまったという事で一つお願いします。(苦笑)

今度は秘密倶楽部の、その後を書きましょうか…。
またBAD後…。

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